30分ハーフ。天気‐晴れ。

[前半]
4分：(朝高)敵陣中盤中央ラックから⑨が右に持ち出し⑥につなぎ、⑥が中央に飛び込みトライ。Ｇ成功。(7－0)
18分：(桐蔭)敵陣ゴール前からモールを押し込み⑬が中央にトライ。Ｇ成功。(7－7)
26分：(桐蔭)敵陣10ｍライン付近右中間ラックから右へ⑨→⑮とつなぎ、⑮が右隅にトライ。(7－12)

[後半]
3分：(桐蔭)自陣ゴール前10ｍ右ラックから相手パスを⑭がインターセプト、そのまま走りきり中央にトライ。Ｇ成功。(7－19)
8分：(朝高)敵陣ゴール前左中間モールから⑥が右を突き、左中間にトライ。(12－19)
21分：(朝高)敵陣ゴール前左中間ラックから右へ⑨→⑬とつなぎ左中間にトライ。(17－19)
30分：(朝高)敵陣22ｍライン付近中央からＰＧ成功。(20－19)

[戦評]

試合前のアップ、朝高選手達は普段どおりの姿、程よい緊張感の中でもリラックスしていて、なおかつ闘志を燃やしていた。
試合開始直後、先制パンチを浴びせたのは朝高。前半2分、朝高はＰＧを狙うもポストに当たり外してしまうが、その後のラインアウトから速いテンポの連続攻撃で先制トライ。その後も敵陣深くに攻め込むも取り切れず、自陣に戻される。
桐蔭は敵陣ゴール前まで攻め込むと、執拗に近場を攻める。朝高はＤＦで粘るが、18分にトライされ同点に追いつかれる。朝高が前半の残り時間、効果的なアタックをできない反面、桐蔭はアタックのテンポが早まり、26分にもトライを挙げ逆転。前半終了まで厳しい時間帯が続くが、7－12で前半を折り返す。

後半早々、朝高は敵陣ラインアウトから連続攻撃を仕掛けるが、単調なテンポから相手にインターセプトされ、そのままトライ、12点差とされる。今までの朝高ならこういうトライから雰囲気が悪くなるが、この日は違った。チーム全体が気持ちを切り替え、次のキックオフからまた桐蔭に立ち向かっていった。
朝高が後半8分にトライを挙げ7点差に詰め寄ると、ラグビー場内は追撃ムードに包まれていった。朝高はキックを多用し敵陣に入り込み、ラインアウトでプレッシャーをかける。ほとんどの時間を敵陣で過ごす中、21分にトライを挙げ、2点差、なおも朝高の追撃が続く。
後半のロスタイムは2分。時計の針が30分にさしかかろうとした時、朝高のパスミスでボールが桐蔭に渡ってしまった。敵陣22ｍライン付近中央、桐蔭は時間を使うため連続してラックを形成する。朝高が気をつけなければならないのは焦りからくるペナルティ。しかし、焦っていたのは桐蔭のほうであった。桐蔭はマイボールを確保しようとするあまり、オーバーザトップの反則を犯す。ゴールほぼ正面。このＰＧを14番、康哲明が落ち着いて決め、ノーサイドかと思われたが、まだワンプレー残っていた。直後の桐蔭キックオフのボールは朝高選手の懐に吸い込まれ、ラック。そこから出たボールをＳＯがタッチに蹴りだし、ノーサイド。劇的な幕切れであった。

朝高は3年連続6回目の全国大会出場。3年連続は朝高ラグビー部史上初の快挙。この快挙を成し遂げたのは、数々の困難や苦しみを乗り越えて、一歩一歩成長してきた3年生達の力である。
彼らには失うものは何もなかった。恐れるものもなかった。あったのは勝利に対する執念、自らの力で朝高ラグビー部の新たな歴史を刻むという強い気持ちであった。

「奇跡の勝利」
そう見えるかもしれない。3年生は練習試合で桐蔭に一度も勝ったことがなく、中学時代の実績もなく、今春の結果も良くなかったのだから。だが、違う。この勝利は「奇跡」ではなく、3年間の「軌跡」であり、選手達が一つ一つ積み重ねてきたものの結果であり、すなわち必然的なことだったのである。

大阪朝高大阪朝高

リザーブ	T	G	P	D	交代
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