全国大会府予選 決勝 試合結果
大阪朝高 | 大阪桐蔭 | ||||||
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7 | 7 | - | 8 | 13 | |||
0 | 5 |
T | G | PG | DG | T | G | PG | DG | |
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1 | 1 | 0 | 0 | 前 | 1 | 0 | 1 | 0 |
0 | 0 | 0 | 0 | 後 | 1 | 0 | 0 | |
1 | 1 | 0 | 0 | 計 | 2 | 0 | 1 | 0 |
T:トライ G:ゴール PG:ペナルティゴール DG:ドロップゴール
日付 | 2015/11/15 |
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Kick off | 12:30 |
試合会場 | 花園第1グラウンド |
レフリー | 吉川 浩司 |
アシスタントレフリー | 鈴山 大陽 西本 武史 橋本 央 |
30分ハーフ 天候ー晴れ
観客人数ー5500人 グラウンド状態ー良好
[前半]
5分:(桐蔭)22m左中間ラックより右に⑨⑩とわたり⑩がオープンキック、右タッチライン際にいた⑭がキャッチし、そのまま右中間にトライ。(0-5)
12分:(朝高)10m右中間相手ボールスクラムから⑩のキックを⑧がチャージ、そのまま右中間でおさえトライ。G成功(7-5)
16分:(桐蔭)15m中央から⑩がPG成功。(7-8)
[後半]
28分:(桐蔭)10m左中間ラックより左に⑨-⑱とわたり⑱左中間にトライ。(7-13)
[戦評]
前半、桐蔭キックオフ直後、朝高のキックが二度もチャージされ、自陣でプレーせざるを余儀なくされた。
桐蔭ボールのラインアウトを二度もスティールするが、22m内から蹴り出せず、ボールは相手に渡り、前半5分、桐蔭のキックパスで右中間にトライ。
このまま引き下がる朝高ではなかった。その後は桐蔭陣内でプレーをし続けた。ゴール30m手前でマイボールラインアウトを得た朝高、ノットストレートで桐蔭ボールになるが、3フェイズ目に朝高⑧がキックチャージ、そのままトライにつながった。キックも成功し、朝高逆転。
前半も半ばをさしかかったころ、朝高陣内で攻撃をしかける桐蔭がノットロールアウェイのペナルティを得、PG成功。これで7-8になり、桐蔭が一歩リードした。
7-8の状態がその後40分以上続いた。朝高は敵陣でプレーすることにより相手のミスを誘う、桐蔭は戦意喪失のために突き放すことを考える。中盤でのキック合戦、朝高のダブルタックルによるゲイン、ラインブレイクを果たすがノックオンなど一進一退の攻防が繰り広げられた。
均衡を破ったのが後半終了間際、朝高のノックオンによりマイボールを得た桐蔭がレイトチャージを受け、ボールの落下地点でペナルティを得る。そのままタッチに蹴りだし、ラインアウト。近場の攻防となったが、ブラインドサイドに人数が少なくなったところを桐蔭が攻め、トライ。7-13になった。
そのころ場内にはロスタイムの時間が流れた。3分だった。桐蔭がキックを外したことにより、1トライ1ゴールで逆転の可能性が見えたのだ。キックオフ、敵陣深くに蹴りこみ中盤でボールを再獲得する。時間は殆ど無かった。朝高はラインアウトからモールを作り押し込む。そこで桐蔭は食い下がらない。必死に食らいつき、ついに桐蔭がターンオーバー。電光掲示板の時刻が34分になるころまでFWで時間を稼ぎ、ついに蹴りだした。
誰もがノーサイドと思った。しかし終わりを告げる笛はまだ鳴らない。ラストワンプレーが残っていたのだ。
後半34分桐蔭陣内中盤でラインアウトを得た朝高はモールを作り、ゴールラインに向かって押し込む。バックスも入る。何度崩れても何度も立て直し、押した。7年連続出場、10回目の全国に向かって。
しかし、終わりは訪れた。
ユーズイット(ボールを出す)の声がかかり左サイドの飛び出したが、桐蔭の鋭いタックルでノックオン。そのまま蹴りだし、ノーサイドの笛が響いた。
7-13。
桐蔭を追い詰めに追い詰めたが、最後の一歩が出なかった。
振り返ると、今シーズン、朝高の春の成績は大阪府5位、桐蔭は選抜大会全国2位。周りからのプレッシャーはないとは言えない。
さらに兄弟校である東京朝高が悲願であった初の全国大会出場を果たし、目に見えない圧力が選手たちにあっただろう。
その中でこれほどのナイスゲームをしたのは、春のころでは考えられない。率直によく頑張ったといえる。
しかしベストゲームではなかった。
勝ちに不思議な勝ちはあるが、負けに不思議な負けはないのだ。
両校の違いは、なによりも場数の差、「余裕」を持ってプレーすることであった。その余裕とは時間帯、エリア、その他諸々の状況の中でチームが理想を共有する「余裕」である。前半終了間際の朝高のアタックも、今思えばそこに桐蔭の「余裕」を見ることができた。そして後半の最後に相手を突き放すかのようにもぎ取ったトライ、これがなによりも場数の違いを表している。
たしかに朝高も相当な試合をこなした。しかし結果的に見ると、桐蔭には及ばなかった。ささいなキックチャージやキックミス、ノックオンなど、個人・チームでのミスを60分間カバーしプレー出来たのかとそうでもなかった。そしてなにより、フィジカルの差がそこにはあった。結果的にペナルティの数は桐蔭が5、朝高は10、後半、桐蔭は0であった。最後の桐蔭のトライも、ブレイクアウトからFWが順目に回りきれず隙をつかれた取られたトライだった。差はあったと認めざるを得ない。
だが、このノーサイドの笛は終わりではなく、始まりであるのだ。ちょうど七年前、筆者が高校1年の時に同じ経験をした。
3年生は大阪府決勝の場で、胸を張って堂々と戦った。
ではこれからどうするのか。
大阪朝高ラグビー部に歩みを止めることなどない。
何度でも挑戦し、失敗しても挑戦する、その頂点を掴み取るまで、先代たちがそうであったように。
試合の反省点をしっかり踏まえ、前に進み続けなければいけない、3年生の想いを忘れないために。
ここからまた、大阪朝高の新しい歴史が始まる。
大阪朝高
リザーブ | T | G | P | D | 交代 |
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16 高 壮秀 (3) | 0 | 0 | 0 | 0 | ← 3 成 将守(49分入替) |
17 朴 崇範 (3) | 0 | 0 | 0 | 0 | |
18 金 貴成 (3) | 0 | 0 | 0 | 0 | ← 2 韓 駿昊(60分入替) |
19 金 龍成 (3) | 0 | 0 | 0 | 0 | |
20 李 智成 (2) | 0 | 0 | 0 | 0 | ← 11 南 紀成(57分入替) |
21 朴 英治 (3) | 0 | 0 | 0 | 0 | |
22 金 亮志 (3) | 0 | 0 | 0 | 0 | |
23 鄭 篤樹 (3) | 0 | 0 | 0 | 0 | |
24 金 一徹 (2) | 0 | 0 | 0 | 0 | |
25 高 成柱 (3) | 0 | 0 | 0 | 0 |