全国大会府予選 決勝 試合結果
大阪朝高大阪朝高 | 常翔啓光 | ||||||
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14 | 7 | - | 7 | 7 | |||
7 | 0 |
T | G | PG | DG | T | G | PG | DG | |
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1 | 1 | 0 | 0 | 前 | 1 | 1 | 0 | 0 |
1 | 1 | 0 | 0 | 後 | 0 | 0 | 0 | |
2 | 2 | 0 | 0 | 計 | 1 | 1 | 0 | 0 |
T:トライ G:ゴール PG:ペナルティゴール DG:ドロップゴール
日付 | 2012/11/18 |
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Kick off | 12:20 |
試合会場 | 花園第1グラウンド |
レフリー | 小原 淳一 |
アシスタントレフリー |
30分ハーフ。天気-曇り。
[前半]
12分:(朝高)敵陣ゴール前5m右ラインアウトからモール形成、そのまま押し込み②が右中間にトライ。G成功。(7-0)
27分:(啓光)敵陣ゴール前右中間ラックから左へ⑨→⑩→⑬とつないで、中央にトライ。G成功。(7-7)
[後半]
23分:(朝高)相手キックを自陣10mライン付近でキャッチして左へ連続攻撃、左中間ラックから左へ⑨→⑦が独走、ゴール前でタックルされたところを⑥がボールを受け左隅にトライ。G成功。(14-7)
[戦評]
曇り空で北風が吹きすさぶ、ラグビーシーズンらしい天気の中で行われた決勝戦。
風下にたった朝高ボールのキックオフで試合開始、朝高は啓光BKがこぼしたボールをターンオーバーし、一気に敵陣深く切り込む。トライまでつながらなかったものの立ち上がりでペースをつかんだ朝高は、啓光のペナルティからラインアウトのチャンスを得て、強みのFWを前面に押し出しモールで先制トライを挙げる。その後は風下の自陣をなかなか抜け出せず、啓光が朝高ゴール前に迫る苦しい時間帯が続く。朝高はDFで粘りを見せ、啓光の連続攻撃を止めターンオーバーする場面もあったが、結局27分に啓光SOのラインブレイクから中央にトライを許してしまう。直後のキックオフを確保した朝高は、再びゴール前ラインアウトのチャンスからモールを押し込み、インゴールに迫る。そのままボールをグランディングしたように思われたが、トライと認められず前半終了、同点で試合を折り返す。
後半、風上に立った朝高は、SO、FBの左右のキックから敵陣に入り込む戦術を徹底し、チャンスをうかがう。自陣深くにボールを戻された啓光も蹴り返すが、あまり効果的なキックにならず、後半は主に啓光陣内で試合が進む。朝高は敵陣深くに入り込むと、強みのFWで近場を攻め、何度かゴール前まで迫る。しかし、反則のない啓光のDFや、ノックオンなどのミスで勝ち越し点を奪えず、時間だけが過ぎる。
膠着状態で迎えた後半23分、啓光がキックしたボールを自陣10m付近で確保した朝高が、蹴り返さずカウンターアタックを仕掛ける。右側でできたポイントから左へ、縦を突き順目、縦を突き順目へ。左中間にラックができたときには左側、順目に啓光の選手が1人だけ、スペースが生まれた。すかさず、⑨金がそのスペースに走りこむ、DFが迫ってくるとさらに左側を走っていた⑦李にパス、⑦李が大きくゲインしDFを振り切りながらインゴールに迫る、啓光も懸命にバッキングしインゴール直前で⑦李を倒す。次の瞬間、ボールは倒れた⑦李の手からサポートに来た⑥金の懐に(まるで溺れている赤ん坊を助け出すように、両手で大事に、そしてすばやく確実に)渡り、インゴールへ。まさに人から人へ、15人の心と心がボールをつないだ決勝トライであった。その後も朝高は落ち着いて時間とエリアを有効に使い、啓光は最後まで決定機を作れないままノーサイドを迎えた。
スコアは僅差の試合であったが、全般的に試合をコントール、支配していたのは朝高であった。浮き沈みが激しい今年のチームが、開始12分と決して早くはなかったものの、先制トライを取れたことは何よりも大きなポイントであった。そして、7-7と追いつかれはしたが、風下の苦しい前半に逆転されなかったことで、風上の後半は精神的に優位にたてるようになった。後半は、ボールをキックすれば敵陣に深く入れて相手の選択肢も減るだろう、朝高FWの圧力が徐々に啓光FWに効いてくるだろうという打算のもと、緊張感が漂う中でも平常心で戦うことができた。実際、決勝トライの過程を振り返ると、何とか自陣から抜け出したい啓光のキックから始まっており、トライの瞬間、周辺にいたFWプレーヤーは、決定的な役割を果たした⑥、⑦をはじめ4名いた朝高に対し、啓光はDFに直接関与できなかった2名のみであった。
今年の3年生も負けを重ねて悔しい思いばかりする普通の1年生だった。だが、一歩一歩、前を向いて歩み続ける中で力を蓄え、花園を賭けた「最後の戦い」で一度も勝ったことがない相手に勝利するという、大阪朝高らしいチームに成長した。
「最後の戦い」の勝利は、「新たな戦い」の始まりを告げるものでもある。4年連続7度目の全国大会出場を果たした大阪朝高は、もはや「花園に行った」だけでは満足できない。より一層の高みに向かって、さらに全国の頂に向かって、進んでいかなければならない。
継続、前進。「最後の勝利」は、まだまだ先にある。
大阪朝高大阪朝高
リザーブ | T | G | P | D | 交代 |
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16 () | |||||
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24 () | |||||
25 () |